2010/04/18

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今日の対横浜5回戦、おそらく先発メンバー発表のときに横浜スタジアムはどよめいたのでしょうね。

「4番 レフト 金本」というウグイス嬢のコールが無かったようです。1999年から続く金本の連続フルイニング出場が途絶えた瞬間でした。まぁ最近は3塁ランナーラミレス(巨)のときに亀井(巨)だかが打った浅いレフトフライで、ラミレスがタッチアップ、歩いてホームインしたっていうくらい肩がダメになっていたようで、仕方の無いことです。いつかは記録は途絶えるものですからね。

ここ数年は金本の記録のために、試合を落とした(負けた)ような気がすることが何回もありました。また今年は特に各チーム、レフトへ狙って打つ作戦をとっています。それは決してズルいことではなく、勝つために相手のウィークポイントを攻めるという至極当たり前のことです。ジャイアンツでも同じように守備に不安のあるレフトのラミレス方向へ打球を飛ばせば、単打が2塁打になったり犠牲フライで交錯プレイを避けられたりということになります。

決して金本を認めていない訳ではなく、むしろ彼がFAで阪神にやって来た頃は、1. 少々のケガでは休まず、2. いつでも全力プレーで、3. 走・攻・守の三拍子揃った素晴らしい選手だったと思います。阪神の暗黒・アングラ時代からの脱却は野村監督の遺産と星野監督、金本の力が大きかったと思っていますが、そんな金本も今は1. しかできてない。2と3は本人の中でやろうと思っているだろうけれども、残念ながら外には出なくなってしまっている。それでも勝負どころではよく打っているほうだし、相手に「何か嫌な予感」を感じさせるプレッシャーは出ているのかも知れません。

しかし、プロとしてお金をもらって興行している以上、球団、チーム首脳陣、選手は勝つための最大限の努力をしなければならないということ。阪神タイガースに偉大な記録保持者がいることは誇らしいけれども、同時に金本の記録のための阪神タイガースであってはならないのです。どちらかというと、守備ができない(送球ができない)くらい酷い状態なのであれば、本人が申告してもっと早い段階で休むべき。プロであるならば自分の持てるポテンシャルを十分に発揮出来ない以上、納得出来る状態になるまで休息なり治療なり練習なりをするべきで、納得出来ないプレーしか出来なくなったらそれは引退を考えるタイミングだろうということです。

これを書いている現在、今日の試合で「本人が今日はスタメンを外せ」と言ったのか、監督あるいはコーチが「もう外す」と言ったのかは分かりませんが、連続記録というある意味聖域が崩れた以上、もう失うものがない阪神は今年強いかも知れません。だって守備固めや代走といった勝つための作戦を、金本に気兼ねせず実行できるし、打順だって流動的に動かせるわけですから。

金本の記録はスゴいと思います。だって10年間以上、フルイニング出場していたということは、単純に自分に置き換えれば10年間無遅刻無欠勤は当たり前で、有給休暇すらとっていないということです。いや、その前にスポーツ選手である以上ケガと隣り合わせだし、チーム競技だから調子が悪ければ本来交代させられるわけで、それをここまで何にせよ続けて来たことは素晴らしい。金本はとりあえずお疲れさまでした、だけれど周囲の監督やコーチ、選手も記録に気を遣っていただろうからお疲れさまでした、ですね。

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